こんにちは!ColoristライターのShizukaです。
さて今回は、色彩心理の導入編をお送りいたします。やや理論的な回になりますが、色彩心理の基礎になる内容なので、是非ともご覧くださいませ。
これから色を学びたい方にもおすすめです。
色を見るための三要素
まずはじめに、色を見るために必要な三要素をご紹介いたします。
- 光源(光を発する物)
- 物体(物)
- 視覚(眼)
この三要素のどれか一つでも欠けると色は見えません。この章では、この三要素について詳しく見ていきます。
光源(光)の正体
光源とは、つまり光です。私たちが色を見るためには光(太陽光、照明など)が欠かせません。
では光とは何なのか。
光とは、電気と磁気のエネルギーが波となって空間を伝わっていく、電磁波の一種です。
実は光も波のように振動しながら進んでいくのです。
「電磁波は目に見えないのでは?」と思いますよね。
実は私たちが見ている色こそ、可視光という人間の目が感じることができる電磁波(光)なのです。
この電磁波の波長の範囲は可視範囲と呼ばれています。
ちなみに赤外線や紫外線も電磁波の一種ですが、人間の目には感じることができない範囲のものです。
物体の真実

さて続いて物体について見ていきましょう。
多くの方は、物体に色がついていて、その色を見ていると思っているはずです。
しかしながら、正確には、物体に色はなく、「物体が反射している光」を私たちの眼(脳)が「色として感じている」のです。
つまり、トマトが赤く見えるのは、トマトを照らした光のうち、赤い波長の光を反射し、それが私たちの目に届いたからなのです。
眼の役割
眼を閉じていると色を見ることができません。
眼は色の情報を受け取り、分析する重要な器官なのです。
ここでは詳細は割愛させていただきますが、「物体が反射した光」が眼球に届くと、そこから眼球内の組織の働きにより、光の情報(物体の色の情報)が分析され、電気信号となって、視神経を通じて脳へと送られます。
視覚から受け取った情報については、大脳の視覚野へ送られ、そこで色を認識することになるのです。
したがって、色を認識しているのは、正確には眼ではなく、脳ということになるのです。
色が認識される経路とは
光が物体を照らす
→物体が反射した光のうち、可視光(物体の色情報)が眼に入って分析される
→物体の色情報が電気信号として、視神経から大脳の視覚野に送られる
→色として認識される
色彩に心理効果があるのはなぜ?
ここからは、色が私たちの心身になぜ影響を与えるのか見ていきましょう。
可視光の秘密

おさらいになりますが、人間の目が感じることのできる波長範囲を、可視範囲(約380〜780nm)と言い、可視範囲の電磁波を可視光(光)と呼びました。この可視範囲は、短波長、中波長、長波長の三つに分けて考えることがあります。
そしてこの波長の長さの違いが色の違いに関係しています。
短波長とは、約380〜500nmの波長で、色でいうと青〜青紫系の色です。
中波長とは、約500〜600nmの波長で、色でいうと青緑〜黄橙系の色です。
長波長とは、約600〜780nmの波長で、色でいうと橙〜赤系の色です。
つまり、トマトが赤く見えるのは、トマトに当たって反射した光の中で、長波長の光が脳に届いたということです。
さらに、波長の長さによって、私たちの心身に及ぼす影響も異なります。
これはまた別の回でご紹介いたします。
脳の働きと色
色を認識するのは脳であるとご紹介いたしました。私たちは生まれてから五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)を通じて色に関する多くの情報を記憶し、その情報は脳に蓄積され続けています。
色の情報は、例えば、赤を見て、血・熱い・情熱・派手・危険などのように複数のイメージができるように、感覚と感覚とが結びついて記憶されています。
ある色に対して、私たちは現在に至るまでに蓄積してきたその色の情報を、その色を目にすることで瞬時に引き出すことができます。
このような脳の働きと、色の持つ性質から、色は人の心理や行動に影響を与えると考えられ、色彩心理(色のもたらす心理効果)は社会の中で広く応用されています。
色彩に心理効果があるのは
・可視光(色)は、波長によって、心身に及ぼす影響が異なる
・脳は色に関する情報を、五感を総動員して記憶し、その情報を蓄積している
・ある色を見たときに、その色に紐づけられたあらゆる情報を引き出すことができる
まとめ
さて今回は、色彩心理の導入編をお送りいたしましたが、いかがでしょうか?
色の基礎にもなるお話なので、色に本気で興味がある方にご覧いただけたら幸いです。
色ごとの色彩心理は別の回にてご紹介いたしますので、お楽しみに!
【参考文献】
内閣府認定 公益社団法人 色彩検定協会,『文部科学省後援 色彩検定®︎公式テキスト 3級編』, 2019.
南 涼子. 『今と未来がわかる色彩心理』, ナツメ社, 2023.


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